PEST
環境分析では一般にSWOTが用いられますが、その中の外部環境を掘り下げるときに、マクロ環境を細分化したフレームワークを使います。そのひとつに PESTがあります。これも英語の頭文字で表されています。この四つの要因は企業によっては機会となりますが、逆に脅威となる企業もあります。

よくあることですが、法改正で規制緩和される場合、新規参入者が増えるために、差別化されたノウハウや技術のない企業は脅威になります。淘汰される企業もありますが、新規参入者にない、差別化された技術でターゲットを確実に掴んでいる企業にとってみれば、機会になります。IT革命は顕著な例です。デジタルデバイドされる企業と、されない企業では、外部環境に関して脅威と機会が明確に別れます。
P Politics 政治、法律 政治動向、法改正、規制緩和、支援施策
E Economic 経済 景気の動向、為替や金利の上下、消費者心理
S Social 社会、文化 核家族と少子化、個性化と多様化、健康志向
T Technology 技術革新 IT革命、情報時代、技術革新



5つの力 Five Forces
環境分析では、一般にSWOTが用いられますが、その中の外部環境を掘り下げるときに、業界のミクロ環境を細分化したフレームワークを使います。そのひとつに、マイケル・ポーターの「5つの力」があります。業界における収益性が決まります。

5つの力に関して、その対策を怠ると、毎年2割は収益が悪化し、5年で終息するという乱暴な意見を吐く人がいますが、あながち間違っているとは言えません。世界市場と比べると、まだまだ日本の価格は高いため、買い手の値下げ圧力は強い。一方、石油価格が材料費を押し上げ、売り手の圧力が強くなると、一気に収益性は悪化します。交渉力が低いと、瞬く間に経営危機に陥ります。
グローバル経済下で、しかもインターネットが発達した今では、新規参入や代替品の進出に目を離せません。目に見えない競合も出てきます。5つの力に戦略思考を注いで下さい。
1  新規参入の脅威 新規参入しやすいか。障壁の度合は。差別化されているか
2  競争関係 既存企業の数と力関係。戦略ポジション。シェア
3  代替品の脅威 新技術による高機能、コストの脅威。他業界からの代替品
4  買い手の圧力 購入者の値下げ圧力。選択肢が多いほど手強い
5  売り手の圧力 納入業者の値上げ圧力。ブランド力があるほど手強い



3C 業界のミクロ分析
環境分析における、最も基本的な業界におけるミクロ環境を細分化したフレームワークです。顧客ニーズからターゲットを絞り込んでウオンツを見つける行動と、競合との差別化戦略は同時進行です。このトライアングルを客観的に見晴らせるポジショニングが大切です。
顧客 Customer ニーズ・細分化・成長性・市場変化
競合 Competitor 戦略ポジション・参入難易度・シェア・価格
自社 Company 差別化・経営資源・ブランド・コアコンビタンス



4P マーケティングミックス
売り手側の視点にもとづいて、市場の反応を引き出すマーケティングミックスのフレームワーク。環境分析や標的市場の選定結果、ターゲットに対して自社の魅力度をいかに伝えるかのプロセス。広告もそのひとつで、重要な経営戦略の一翼を担います。最終的な戦略行動に移す現実的な詰めの段階です。
3Cの顧客、競合、自社の関係を客観的に分析して、マーケティングをミックスさせて解答を引き出します。
Product 製品戦略 製品・サービス・品質・デザイン・ブランド
Price 価格戦略 価格・割引・支払条件・信用取引
Place チャンネル チャンネル・輸送・流通範囲・立地・品揃え・在庫
Promotion プロモーション プロモーション 販売促進・広告・インターネットマーケティング



PMマトリクス
Products(製品)・Market(市場)と現在・未来の四つのフレームで経営を分析すると何から行動するかが明確に理解できます。
現製品/
現市場領域
短期カイゼン戦略で収支の健全化 PMマトリクス
現製品/
新市場領域
販促企画と営業体制で新市場開拓
現市場/
新製品領域
差別化・選択・集中でシェアアップ
新市場/
新製品領域
ニッチ市場の発掘でオンリーワン




ニーズ・ウオンツ・シーズの定義
ウオンツのとらえ方は、ニーズの定義で変わってきます。ニーズ志向・シーズ志向という考え方もありますが、21世紀型マーケティング戦略では、ニーズを優先し、ウオンツを求めるときにシーズを機能させたい。
ニーズ 社会的、個人的な欠乏欲求の状態であり、潜在化している。潜在ニーズの掘り起こしが重要。
ウオンツ 潜在ニーズを掘り起こし、現在から未来にかけて具体化するモノやサービス。
シーズ ウオンツを求めるための技術、材料、アイデアなど。
ニーズ・ウォンツ・シーズの定義



PDCAとは
マネージメントサイクルのひとつで、スパイラルプロセスによって、品質の維持・向上・継続的な業務改善活動を推進するマネジメント手法で、デミングサイクルとも呼ばれています。品質管理ISO9000シリーズや環境ISO14000シリーズにも使われる改善プロセス進化手法。PDCAプロセスを循環させることによって、継続的な経営改善を推進するマネージメント手法です。
P  Plan 計画 目標を設定する解決策、改善計画
D  Do 実行 計画を実行に移し、検査する
C  Check 評価 評価 検査結果を分析評価する
A  Action 改善 改善 評価による改善行動に移す



SWOT分析
SWOTは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字をさします。マーケティング戦略には欠かせない分析手法です。自社(内部環境)の強み・弱みを洗い出し、社外(外部環境)の機会・脅威を現在から近未来まで、情報を収集して分析し、まずは「己を知る」現状ドメインを認識します。
環境
フレームワーク
問題点のキーワード
 
強み(S)
弱み(W)
内部環境
BSC
財務の視点 右上がり・無借金 売上停滞・融資借入難
顧客の視点 顧客満足・新商品 新規顧客獲得難
業務の視点 最新設備・高品質 老巧化設備・ミス・ロス
人材の視点 自立能力・組織力 高齢化・5S不徹底
 
機会(O)
脅威(T)
外部環境
PEST
Politics 政治・法律 規制緩和・商法改正 規制強化・ISO問題
Economy 経済情勢  アジア需要の増大 国内空洞化・市場縮小
Society 社会・文化 多様化ロングテール 環境変化への未対応
Technology 技術革新 通信技術の活用 デジタルデバイド
五つの力
新規参入 5%の新勢力 パートナーシップ  商圏の縮小
代替品の脅威 他業界 業界を超えた新市場 顧客の減少
売り手の圧力 仕入先 交渉能力人材  材料費の高騰
買い手の圧力 顧客  価格決定権・シーズ  値下げ圧力・下請体質
競合相手 同業他社 差別化・ネットワーク 価格調整・薄利



BSC バランススコアカード(Balanced scorecard)
企業経営を【財務・顧客・業務・人材】という4つの視点で整理、体系化することにより社内のだれでも理解しやすく、最も見えにくい部分の【見える化】が可能になります。このフレームワークで戦略の入り口から出口までコントロールすることにより、無駄のない、迷路に入り込まない合理的な戦略経営がスピーディに進みます。戦略を、日常業務の具体策へ落とし込むことが成否のコツです。多角的かつ具体的な指標で4つの視点のバランスを取る、現代経営にふさあしい戦略管理運営手法です。

一般的な中小企業規模で4つの視点を見ると、
4つの視点
キーワード
財務の視点 売上、利益、損益分岐点、決算書、融資交渉、社長、奥さん、経理部
顧客の視点 新規顧客獲得、商圏、市場、顧客満足、販売促進、商品開発、営業部
業務の視点 品質、価格、納期、生産性、生産技術、設備投資、外注仕入、製造部
人材の視点 学習と成長、教育制度、自立人材、従業員満足、組織、帰属意識、人事部
となります。
戦略立案においては、この4つの視点で
A.中期ビジョン目標 将来どうありたいかを具体的に書き出す
B.現状ドメイン把握 今の実態をSWOT分析で洗い出す
を比較して、そのギャップ(A-B)に問題を発見し、解決策として戦略を立案します。



パレートの法則(2:8の法則)
組織内の問題解決には、2:8の法則による合理的な決断がスピードを加速させます。
「大勢は少数の要因によって決定される」という経験則です。例えば「売上の80%は、全顧客の20%による」。「全商品の2割が、8割の売り上げを占める」。端的な営業例を挙げれば、顧客数が100社あるとすると、毎日電話でソフトタッチする相手は上位20社に絞りアポをとってハードタッチする。あとの80社は、月一回の電話によるソフトタッチで、用件がなければ客待ち体制にする。こういう決め事を徹底させれば、ムダなアクセス時間や経費は激減します。できる営業は余った時間を新規顧客獲得に充てます。
社内に存在する多くの課題も、分析して優先順位を決めるべきです。10ある課題を一度に解決することは至難の業です。優先上位2題の解決策を求めて実行に移します。これが達成できたら、次の課題を取り上げる。こういう手法が、中小企業にはベストの方策です。
欲張ると、組織は機能せず、何の成果も生まれません。2:8の法則に徹して下さい。



ABC分析
ABC分析はパーレート曲線を利用したものです。下の図で説明しましょう。ABC分析は重点分析ともいわれる商品管理手法でプライオリティに従い三分類に種分けして管理します。
ABC分析



マズローの欲求5段階説
心理学者マズローの言葉。
人間は自己実現に向かって絶えず成長するいきものである 人間の基本的欲求を低次から、5段階の階層で理論化しています。マズローによると自己実現した人の特徴は、客観的で正確な判断、自己受容と他者受容、自然な態度、自発性、自立、心理的自由などをあげています。



ジョハリの窓
自己には
自他ともに公開された 【解放の窓】
他人には未知の隠された 【秘密の窓】
他人は知り自分は未知の 【盲点の窓】
自他ともに未知の 【未知の窓】
があると考えられます。

これらを右のフレームに図解します。四つの枠は固定されず、人付き合いのコミュニケーションにより開放の窓は広がっていく。公開された自己が拡大すると、自己開示が進んでいることになります。



ランチェスターの法則
イギリスで戦闘機の開発に携わっていたランチェスターが、双方の戦闘機の数と戦闘の結果がもたらす被害について性能差などの要因も含め発見した法則。ふたつの基本法則で成り立っている。
一騎打ちの法則 集中効果の法則
2者間の戦いにおいては、武器の性能が同じであれば、兵力が大きいほうが勝つ 持っている武器の性能が同じである集団同士での戦いにおいては、被害は戦力の二乗比の差になる
(弱者の戦略)差別化 (弱者の戦略)ミート作戦
局地戦 敵のいないニッチ市場の発掘 広域戦 豊富な資金力で全国区展開
一騎打ち 弱いライバルと戦う 確立戦 下手な鉄砲も数撃てば当たる
接近戦 周辺地域のスキンシップ戦 遠隔戦 テレビCM、全国誌広告
一点集中 選択と集中でピンポイント攻撃 総合戦 あらゆる経営資源を総動員する
陽動作戦 神出鬼没、スピーディーなゲリラ戦
誘導作戦 有利な拠点へ敵をおびき寄せる



コトラーの戦略ポジション
経営学者コトラーは、業界における競争の地位を戦略ポジションとして以下の四つに分類整理しています。中小企業の大勢はフォロアーです。下請体質も同様です。現状の業務をこなすだけで手一杯の体制ではフォロアーから抜け出せません。模倣と低価格戦略が代名詞のフォロアーは、常にライバルの動向に脅かされ、採算分岐線上で値下げ圧力と戦う運命にあります。
コトラーのポジション俯瞰図



ランチェスターの法則とコトラーの戦略ポジション
右上がり経営の持続成長には、攻める以外の戦略はありません。自立心を旺盛にして勇気を出し、知恵を絞って頑張りましょう。所詮、経営資源に乏しい弱者です。資金力がなくても戦える知恵をつけ、選択と集中でゲリラ戦に持ち込みます。ランチェスターの法則とコトラーの戦略ポジションを組み合わせた戦略図を作ってみました。弱者のポジションをはっきり認識して下さい。
市場相関図